債券市場の規模も、投資する際のリスクに大きな影響を及ぼします。
米国国債のような巨大なマーケットであれば、それほど問題視されませんが、日本
国内で販売されている外国債券の中には上場市場が存在しない債券も存在します。
たとえば、デュアルカレンシー債といって、購入時と利払いは円建てですが、償還金
が外貨建てで支払われるという特殊な債券などが、これに相当します。
債券市場がなければ、それを保有している投資家が償還前に換金しようと思った場合、
販売した証券会社に持ち込んで買いとってもらわなければなりません。
しかし、投資家の要請で買い取った証券会社は、その債券を保有しなければならない
ため、リスクが生じることから、本来であれば投資家が負わなければならないリスク
を、証券会社が代替えする形になります。
そのため、買い取る側である証券会社は当然のことながら、自分たちが負うリスクを
考慮に入れて、投資家から安い価格でその債券を買い取ろうとします。
結局のところ投資家にとっては、安い価格で債券を買い取ってもらわなければなら
ないため、損失を被るリスクを負うのです。
外国債券を購入するのであれば、きちんとした債券市場が存在する銘柄を買うほうが
リスクも少ないですし、安心です。
また、ここ数年の間で増えているのが、ブラジルや南アフリカ政府といった新興国が
発行する円建て外債です。
円建てなので為替リスクが少なく、しかも利率が極めて高いのですが、難点は信用
リスクで、国内債券と同様、外国債券も発行対が破綻すれば、元利金が戻って来な
いリスクがございますので注意が必要です。
このような新興国が発行する債券は、格付そのものが低く、日本国内の債券市場には
上場されないケースが多いため、償還前に売却したい場合は、取扱証券会社に買い取
ってもらうことになります。
そして、証券会社がその債券の信用リスクを負うことになるため、先ほど説明した
デュアルカレンシー債と同様に安い債券価格でしか買い取らないこともあります。
このため信用リスクが極端に悪化しない限り、償還まで保有するのが原則です。
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