今現在、金融市場が非常に不安定な状態にあるため、ファンドの
動きが目まぐるしく、大きく翻弄される場面に遭遇することが少な
くないのですが、こうした状況はしばらく続きそうです。
今回は短期投資で大きな力を発揮できるカバードワラントの仕組
みについて簡単ではございますが、解説させて頂きます。カバー
ドワラントは通常のワラント取引とは異なる点がございます。
カバードワラントは、権利を行使して、原株を購入するという要素
が実際には含まれていません。
ですので、カバードワラントは、権利行使期間に相当する満期日
までに対象となる株式の株価が値上がりし、権利行使価格を上
回ても、通常のワラントのように権利を行使して、対象となる株式
を入手することは残念ながらできません。
こうしたことから、あくまでもワラントそのものを売買して、値ザヤ
を稼ぐだけとなりますので注意しなければなりません。
また、カバードワラントの価格は対象株式の値動きに比べてはる
かに激しくなりますので、注意が必要です。
たとえば、対象株式の株価が20%値上がりしただけで、カバード
ワラントの価格は元の倍にまで値上がりするというようにです。
そして、株価が下落したときの値下がり率も大きくなり、さらに満期
日時点の株価が、予め決められた権利行使価格を下回った場合
には、ワラントの価値は事実上ゼロとなってしまいます。
こうしたことから、カバードワラントに含まれているリスクは、第一
に、そのワラントの対象となる株式の価格変動リスクです。
しかも価格変動よりも、はるかに高い変動幅で価格が推移するの
で、高いリターンを期待することができるのですが、その反面、極
めて高いリスクを負うことになりますので注意が必要です。
また、権利行使期間が近づくにつれてワラントの価値がゼロに近
づくにつれ、値上がり益を得るチャンスが減ることとなります。
理由は簡単、誰も投資しようとしなくなるからです。これは市場の
変動リスクとはまた違ったリスクといえます。
こうしたことからカバードワラントの仕組みはきわめて複雑です。
ですので、カバードワラントの特性を十分に理解できないことで、
リスクも大きくなると考えるべきです。
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